
一昨年から去年にかけてかなり多くの苗をキリンウチワに実生接ぎしました。そんな中でうまく接げて成長の良い物を主にブログでご紹介しています。多くの実生接ぎ苗の中にはうまく接げずに腐ってしまう物も多く、たとえ接げても穂が順調に成長しない物も多くあります。そういうのは余り見た目が良くないので今までブログには載せていませんでした。このたび温室内を整理していますと、うまく接げていない物がかなりの場所を取っていることがわかり、狭い温室内でスペースを確保するためそういう調子の悪い苗を接ぎ下ろしをして整理することにしました。
上の写真はエキノセレウス、ラサンタスと、牡丹玉、形の崩れた緋牡丹錦です。エキノセレウスは根元が茶色くなり、見栄えが悪くなってしまいました。左上の苗は何とか群生して見られますがその他はちょっと見苦しいです。左下の苗は長く伸びていた物を途中でカットしています。そのカットした上半分は切り口を乾かして挿し木していたら根を出してきました。

これがそうです。接ぎ木苗でもこういう風に挿し木すればうまく根を出してくれます。背の高い苗は穂の下の方でカットして挿せば、うまく降ろせそうです。でも背の低い苗はそういうわけには行きません。やっぱり台木を残して挿し木する方がいいでしょう。

こちらは左から、瑞鳳兜、ペクチニフェラ2本、スーパー兜、太平丸です。いずれも丸1年から2年経過していますが、余り大きくなりません。いっそ捨て去ろうかとも思いましたが、ちょっと心残りなので、一応挿し木してみます。
普通、キリンウチワに接いだ場合、うまく接げていれば台木からの脇芽は余り出ず、穂が順調に成長してきます。うまく接げていないと、台木の脇芽が次々出てきて穂の方は成長が芳しくありません。脇芽を取り去ればうまく成長してくれるのもありますが、結局子こじて中途半端な苗になってしまうことも多いです。そんなのは早めに見切りを付けて新しい接ぎ木を用意する方が賢いように思うのですが、結構愛着があったりしてなかなかすれ去ることが出来ないのが実情です。いっそ枯れてしまえば踏ん切りが付くのですが・・・・。
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- 2015/08/10(月) 22:44:50|
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今日は去年のキリンウチワによる実生接ぎ苗のご紹介です。
一鉢に5本植えにしています。太平丸系が4本と、ヘキラン錦が1本です。それぞれの大きさは1.0cmから2cmくらい。実生接ぎ後1年にしてはそれほど早い成長とは言えないかもしれません。まだ1年目なので台木の花それぞれ元気で、みんな緑色をしています。これが2年後位になると葉が落ちてしまうことが多く、台木の成長にもかげりが出てくることが多いです。

これは、白肌茶刺の太平丸とニコリーの交配です。いずれも刺が湾曲していて良い雰囲気を持った親からの実生です。刺は茶色系ですが太くて立派です。肌色がきれいなコバルトブルーです。

それぞれ同じ時の実生苗ですが、こちらは赤黒い棘色です。同じく太い刺が湾曲していて立派です。

こちらも同じような棘色です。2個子が出てきています。これははずして他の台木に接ぎ直しをしないといけません。今年はまだ小さいので、来年かな。来年まで元気でいてくれますように。

こちらは時に刺が赤黒い系統です。同じ時の種のはずなんですが。同じ種からでも、子供にかなりのタイプ違いが生まれることもあります。黒刺ニコリーなんてのも面白そうです。

こちらは同じ鉢に1本だけ接いでいた、ヘキラン錦です。斑柄はまずまずかなというところ。夏場でも赤っぽい色をしていますので紅葉ランポーの系統が入っているのかも。出始めている子はピンク色をしていますこの冬にどんな色になるか楽しみです。ちょっと傷がありますが、大きくなれば気にならないでしょう。
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- 2015/08/06(木) 22:11:31|
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先日、プランター植えの
袖ヶ浦に接ぎ木した苗の状態を調べてみました。
あらかた接げているようですが、ぎりぎり乗っかっているだけなのもあります。
上の苗はヘキラン錦ですが、ほんの一部だけがくっついています。これでもしっかり成長してきています。くっついていない部分は黒いかさぶたのようなのが出来ています。袖ヶ浦特有の現象です。どうしてこんな風になるんでしょ。

太平丸です。これの方がもっと小さな面積です。ほんの2-3mmの面積で着いているだけです。これでも何とか穂の方は成長してきています。

これはうまく着いた見本です。接合部分が盛り上がってきています。みんなこんな風に接げれば良いんですが。

これもくっついていますが、半分以下の面積です。切り口が盛り上がってきて、穂が傾いてしまいました。

これは1ヶ月経ってもしなびたままです。うまくくっついていないようです。穂をはがしてみると・・・・・

こんな感じでした。やっぱり切り口に黒いかさぶたが出来ています。このかさぶたが出来ないような方法はない物でしょうか。
もし良い方法があればおしえてくださーい。
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- 2015/06/15(月) 23:20:05|
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約1ヶ月前に、プランターに寄せ植えしている
袖ヶ浦に接ぎ木をしました。
1ヶ月前の様子 いつもは、サボテンはガラス温室に入れているのですが、温室内もほぼいっぱいに近く、置き場所がなかったこともあって、プランターに寄せ植えして、仕事場の窓際において育てていました。去年の春に植え付けて、結局冬も窓際で加温なしで冬越ししました。元々丈夫な袖ヶ浦ですので全く問題はなく、春になるとちゃんと元気よく成長し始めました。
接ぎ木が4月28日でしたのでちょうどほぼ1ヶ月です。まだ元気よく成長するというところまではいっていませんが、どうにか栄養分が穂の方に行くようになって、成長を始めたようです。

これはカキコの
ヘキラン錦です。少しふくれて成長を始めているようです。下の方の疣の所が毛が増えてきています。ひょっとするとここに子が出てくるのかもしれません。ちょっぴり楽しみです。

これもヘキラン錦ですが、まだ十分にふくれていていません。まだうまく接げているかどうか微妙なところです。

これは
太平丸です。接ぐときじゃまになった刺を切り取っていますが、少し赤い新刺が出始めたところです。これは結構太くて長い刺だったように思うのですが。新刺の伸びるのを待ちましょう。

これもヘキラン錦です。ちょっと傾いてしまっています。でもうまく接げているようです。

こちらは太平丸ですが、もう刺がだいぶ伸びてきています。黒刺系の花王丸のようです。キリンウチワに実生接ぎした苗に出てきた子をはずして接いだのですが、うまく成長すればキリンウチワ接ぎの親苗を追い越すかもしれません。キリンウチワは1年目は非常に成長が早いですが、2年目になるとかなり成長具合が衰えてくるようです。それに対して、袖ヶ浦は永久台木としても定評があり、10年以上にわたって、元気に成長してくれます。やっぱり先々のことを考えると袖ヶ浦の方がいい面が多いように思えてきました。
実生接ぎはキリンウチワにして、1-2年後に袖ヶ浦に接ぎ直すなんてのが良いのかもしれません。
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- 2015/05/31(日) 17:37:49|
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ようやく天候も回復して、暖かくなってきました。ようやく
台木用の袖ヶ浦も成長し始め、接ぎ木に最適な季節がやってきました。
上の写真は、去年の夏に台木を入手して、プランターに寄せ植えし、軒先に置いていた袖ヶ浦です。温室内がいっぱいでしたので、屋外に置いていて、冬の寒い時期だけ室内の窓際に置いていました。

そんな環境でも、春になるとしっかり成長を始め、成長点付近が伸びてきました。こういう風に成長点付近が盛り上がって、新刺が旺盛に出始めた頃が接ぎ木の最適期です。

今回は去年キリンウチワに実生接ぎした、太平丸と、ヘキラン錦に出てきた子を切り取ってそれを接ぐことにしました。太平丸2個と、ヘキラン錦2個です。大きさは2-3cmと言うところ。ちょうど袖ヶ浦には接ぎやすい大きさです。

この苗の裏側です。ヘキラン錦は切り口が小さく扱いやすいですが、太平丸は親苗とくっついている部分が大きく、切り口が広いです。おまけに、背が低く、成長点が片方によっているため、うまく切らないと穂の高さが極端に低くなってしまいます。切るのはカッターナイフを使用しました。実生接ぎ苗ではカミソリの刃を使用しますが、こういう中苗はかなり硬いのでカミソリの刃ではうまく切れません。切り直しをするだけの寸法の余裕がないので、慎重に一度でスパッと切るように気をつけます。

太平丸は刺が長く止めるときに難儀しますので、あらかじめ刺を切り取っておきます。今は不格好ですが、そのうち成長してくると、下に回って目立たなくなります。

台木の方はこんな感じで稜線を切り落としておきます。あらかじめ大まかに切って置いて、それから穂の方を用意して、その後、穂を乗せる前に先端部分だけをもう一度切り落とします。

そして穂を乗せて、伸縮包帯を使用して、袖ヶ浦の刺に包帯の編み目を引っかけて止めながら、左右に引っ張って止めていきます。
この方法なら、寄せ植えの苗や、地植えにしている苗でも接ぐことが出来ます。便利になった物です。
この状態で2週間ほど水をかけないようにして保管します。2週間後に包帯をそっとはずして、うまく接げていれば1ヶ月位から成長を始めます。
袖ヶ浦は天候の良くない日に接ぐと、切り口が黒く変色してかさぶた状のものが出来てきて、失敗することが多いです。天候の良い日が2-3日続く時なら失敗の確率はかなり低くなるでしょう。私の場合で、成功率は70%位でしょう。なかなか100%うまくいくところまでは行きません。台木の生育具合、穂の状態にも左右されます。
まだかなり台木は残っています。好天が続くうちに残りの接ぎ木もやってしまわないといけません。
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- 2015/04/27(月) 22:34:16|
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